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研究戦略:新しい物性を発見しよう!

当研究室では「考えること」と「手を動かすこと」のバランスを通して、生涯にわたって役立つ『実力』を身につけることを指導しています。新しい発見は、「独自に開発した装置やデバイスによって初めてもたらされる」、との考え方に基づいて、世界に1つしかないオリジナルな研究装置を用いて研究を進めています。化学は、物質の多様性を背景とする学問ですが、そこに物理や生命科学の視点を交えて、新奇な現象の発掘を通して新しい物性を発見する研究に取り組んでいます。既にある物性を高めることを目指したアプローチは、いずれ最高性能の物質以外は駆逐されてしまう運命ですが、新しい物性の発見は、そのアプローチ、考え方を含めて、皆さんに生涯の『実力』を与え、発見の喜びとともに、皆さんの将来を豊かにしてくれるものと確信しています。

これまで20年近くの間に、J. Am. Chem. Soc.、Phys. Rev. Lett. を含む100報を越える学術論文を、化学分野、物理分野、材料科学分野などに広く発表しています。特筆すべきことは、その多くが研究に従事した学生自身による執筆である点です。その成果は世界的に極めて高く評価され、国際会議での発表は、常に注目を集めています。また、研究の多くは、日本学術振興会、科学技術振興機構、文部科学省といった公的機関からの大型プロジェクトとして支援を受けて進めています。

研究力を支える基礎力:

4つの能力 『基礎学力』『技術力』『プレゼン力』『英語力』

 皆さんが生涯にわたって充実したキャリアを得るためには、いくつかの基礎力が大切です。当研究室では、「考えること」の基礎として、『基礎学力』の鍛錬を、4冊程度の学術書の輪読を通して行なっています。いずれも厳選された書籍ばかりを、仲間と一緒に読み進めることによって、生涯の書籍を手に入れることができます。また、「手を動かすこと」の基礎として、コンピューター制御、電子回路設計・製作、機械工作などの『技術力』の修得にも力を入れています。装置の中味をブラックボックスにしない技術力は、測定装置に使われるのではなく、測定装置を自在に使いこなすためには、必須の能力です。

以上2つの研究を推進する能力に加えて、2つの発信能力の修得にも力を入れています。1つは、研究成果を的確にまとめて、わかりやすく発表できる『プレゼンテーション能力』です。もう1つは、国際舞台で活躍するために欠かせない『英語力』です。新しい研究成果を挙げても、周囲の人に理解されなくては、その価値は生まれません。何を「つかみ」に提示し、どのようにロジックを組み立て、得られた結論の意義が何なのかを、「考えること」の大切さをベースに、日々トレーニングしていきます。また、大きな成果を挙げれば挙げるほど、世界に向かってアピールしていくことも重要です。国際言語は英語です。英語を話し、聞けることなしには、コミュニケーションは始まりません。これまでの読み書き中心の英語に、スピーキングとリスニングを加えることは、簡単ではありませんが、若いうちに身につけて、生涯を通して長く利用できるように研究室で研鑽していきます。

研究へのお誘い:研究チームに加わろう!

これまで当研究室では多くの学生さんが研究発表で受賞し、さらに、就職を果たすだけでなく、社会で評価されながら活躍し続けているのは、これらの成果の1つです。学生さん一人一人が自らを磨きながら、一生ものの研究力を身につけ、高めていくことができるような研究室運営を心がけています。